2016年6月4日土曜日

第2セクション アビスコーリッツェム その2

12日目
結露でびっしょりのテントをできるだけ拭いてパッキング。雲ひとつない空で気温も高くなっていきそうです。

トレイルには年配のご夫婦を多く見かけるようになりました。ペースはゆっくりではあるものの私たちより大きな荷物でハツラツと歩いています。自分たちもあんな感じになれるといいなぁと。

少し余裕ができてきたのでテントを乾かしながらゆっくり昼食をとっていると、「イタダキマス」と日本語で話しかけられました。その奇抜な上下黄色のウェアに身を包んだスイス人の青年は郡山に1年住んでいたので、日本語が少し話せるのだそう。短い時間ながらもしっかりと日本ことを楽しく話しました。(ヘンドリックの時の失敗を反省して積極的に会話したのです。)

トレイルは峠に向かって登り基調。見事な滝を臨むチュクタ小屋を通り過ぎると急に人は少なくなっていきました。小屋1つで1日を区切る人が多かったようです。このあたりから抜きつ抜かれつするメンバーが決まってきていまして、先ほどの黄色いウェアのスイス人の彼を含む3人組と年配と若者の男性二人、タンクトップのかっこいい単独の女性がよく前後で歩いていました。

緩やかに高度が上がった後はキュッと角度のある岩場になり最後は雪渓を越えてウィンドシェルターのある峠に到着。タンクトップの女性は「1000mまできたわよーイェーイ!」と叫んでいたので、とりあえず「Yes! Good Job!」と乗っておきました。
峠から下り川沿いテントを張りこの日は終わりました。

13日目
いよいよクングスレーデンを途中で脇にそれ北極圏トレイルだけになる予定の日。
7時に出発して3時間が経とうとする頃。暑くてヘロヘロになっていました。そこに見えてきたのが次のセルカ小屋。

谷というには広い平地のちょっとした高台に建っていました。360度綺麗に山を見渡せる最高の立地。ここまで気持ちのいい眺めの小屋は初めてでした。かなりオススメポイントです。

それにしても暑い。暑いのです。

まぁ、こうなりますよね。午前中から喉を潤さないといけませんから。
ゆっくり休憩をとって気合を入れ直しいよいよ分岐。
文字が薄れて何も読めませんけど、GPSで確認する限りここから分岐するようです。
先ほどまで4人分の幅のトレイルだったのがクングスレーデンを離れた途端シングルトラックになりやがて
踏み跡は何処へやら。
戻ってきました。北極圏トレイルに戻ってきたと実感します。こうでなくちゃいけません。先ほどまでと違い道を探しながらになるので遅々として前に進みませんが、なんだか嬉しくて仕方ありません。もう前後に人はいません。やりたい放題に戻ったのです。

少し歩くと踏み跡は消え10m ぐらい上に現れているような道が続き悪戦苦闘。そんな中で湖の畔に置いてあった折りたたみ椅子に心癒されたりしながら17時まで歩きこの日は終了。途中、奥さんのゲイターのストラップの付け根が足に当たって痛くなってまた1つ足にトラブルを抱えることになってしまっていましたが、対処が早かったことで大事には至らずなによりでした。

ちょっとテントの張り方が雑でしたね。

 14日目。

ただひたすらオレンジのペンキを追いかけて歩いた日でした。一番苦戦したのは国境付近です。スウェーデン側もノルウェー側も相手がどうにかするだろうと考えているのか前後1kmぐらいペンキの道標がなくなってしまうのです。

地図とわずかな踏み跡を頼りにどうにか次の道標を探して行きます。大きく道を外すことはありませんが5mぐらいの崖で行き止まりになってしまったり、歩きにくい場所だったりしてして無駄に時間を費やすことになりました。
しばらくすると上の写真の右の岩にあるようなはっきりとしたペイントがあるのです。あと少し先まで頑張ってペイントしてくれればいいのに。

この日の歩きながら話は今後の人生について。日本でのいろいろなことがなんとなく一区切りついて目標を見失いそうになっているねぇなどと話に夢中になっていたら今現在歩いている道も見失いそうになっていました。人生五里霧中。いい天気ですけどもね。

この日は20kmほど歩いて比較的大きな川の近くで寝ることにしました。川で体を拭ってさっぱりした奥さんはちょっとご機嫌でした。

第2セクション アビスコーリッツェム その1

10日目の8月17日は私の誕生日であり、入籍記念日。
北欧の大地でこの日を迎えることができるのが幸せです。

6時に起床し朝食を食べてからゆっくり歩き出しました。
しばらくはクングスレーデンを歩くことになります。


さすが有名ルートだけあってスタートのゲートがあります。ロングトレイルに来たなぁって感じがしますね。190kmほど通ってきた後ですけど。

スタートからしばらくのアビスコ国立公園内は川沿いの森の中に整備されたトレイルがあり途中にはキャンプサイトもあって上高地に似ています。家族連れのハイカーも多く賑やかな場所です。これまで人がいないところで自由にやってきた身といたしましてはやや窮屈さを感じなくもなく。用を足すにも気を使います。

川がありますが、

渡渉なんてしません!(今までも橋はありましたけどね。)

歩き始めがゆっくりだったこともあり最初のアビスコヤーレ小屋に着く頃には歩き終わりのいつもの時間になっていました。国立公園内は指定地以外でのテント泊は禁止なのでこの旅初めて料金を払ってのテント泊でした。一人100skr(STF会員割引料金)。

料金にはキッチンとサウナ利用料が含まれています。(サウナは別料金だったかも)
チェックイン時に施設の説明を受けました。
キッチンにはプロパンガスのコンロがあって自由に使って良い。もちろん、備え付けの鍋も食器も。水はポリタンクの中のものを使う、使ってなくなったら補給すること。使った水はバケツへ。バケツがいっぱいになったら汚水捨て場に捨てること。水場は脇の川から組み上げていて使いたい放題。サウナは川に近い建物。(体を冷やしたい時はそのまま川へドボン)トイレは管理棟の脇にある。食料は地面に置かず高いところに吊るしてね。動物くるからね。そして、冷えたビールがあるけどどうかね? はい。喜んで!(あんまり冷えてない)
と、言った感じでした。
 キッチンは混雑していて使用せず、水着を持ってないのでサウナ使えずで残念なことにはなりましたけども・・・

 その間にも人は増え続け周りはテントだらけ。かなり日本ぽい状態でした。本当に人気のハイキングコースなのだと実感しました。

この日はビールとピーナッツでお腹を満たし就寝。

11日目。




歩き始めてすぐに樹林帯を抜け原野になりました。湿地もありますが、ここはクングスレーデン、木道がしっかり整備されています。いやもう本当に楽で緊張感のかけらもありません。楽しいのんびりハイキングです。ですが、ちょっと暑い。第1セクションの時とは違い本当に雲ひとつない良い天気。日差しが強くみるみる日焼けをしていくのが分かるほどでした。(2015年は特に暑い夏だったようです。)

しばらく歩きますと国立公園の終端の看板がありました。ここから国立公園の外になり細かい規則がなくなります。
つまりはテントを張ってOKとなりテントが張られています。テント料金節約のためここまで歩いてから寝るようです。

いやもういい天気で気持ちがいい場所なんですが、とにかく暑いです。
王様の散歩道とはよく言ったもので素晴らしい景色が広がるトレイルが続きます。

まさにこういうのが北欧のトレイルって感じなのです。これから北欧を歩きたいという人にはクングスレーデンをお勧めします。
トナカイ柵もこんな立派なステップで越えられます。
いやぁ、もう本当にいい天気です。
この日の目的地アウスヤーレ小屋は湖の畔にあります。7km手前から小屋近くまでボートが出てます。ボート待ちのハイカーの多い事。
私たちは歩きに来ているので湖の脇のコースを汗だくで歩いて・・・途中でボートに抜かれながら・・・
 アウスヤーレ小屋に到着しました。暑さでフラフラな奥さんはまずビール。風に当たって体が落ち着くのを待ちました。
売店が充実していたのでこの先の食料を全部購入することにしました。
アルコールもガス缶もありました。
フリーズドライも豊富です。1万円以上の買い物をしカードでお支払い。STFの運営する小屋のほとんどでカードが使えるので便利です。
宿泊代節約のため小屋の敷地から出て川を挟んだ対岸にテントを張りました。この日もピーナッツとビール飲んで就寝。